哲学者

秩序と無秩序。

「ミクロでみれば、時の瞬間、瞬間で秩序が無秩序にばらばらと散らばっていく。それは不可逆であり、元には戻らない。」

ヒトの頭の中もこうなのだと思う。

朝、脳みその情報は整理されていて、一日の中で最も活発に考えを巡らす時間。昨日の脳みそと今朝の脳みその差が大きいほど、仕事(無秩序)に変換されるのであろう。この変換はエントロピー増大の法則に従う。

脳みそは不可逆に状態を変えていく。つまりは昨日得られた感覚には戻れない。極端に言うならば何かを考えてしまうたびに、別の何かを失っているということ。

例えば映画を見た感動を忘れないように覚えておこうと寝る。だが次の日の朝、その感動は薄くなってしまっていることに気づく。日が経つにつれてその思いはどうしても失っていく。

同じ感動を味わおうと再度、同じ映画を見たとしても、その時得た感覚は戻らない。別の感じ方をしてしまう。これが不可逆。秩序から無秩序への強制的な交換。

秩序から無秩序への変換量にはキャパがある。脳みその状態が変換できる一日の最大量はおそらく決まっている。夜になるにつれてその日のヒトの意識が固まっていく。

脳みその疲労はヒトを無意識にさせる。これが睡眠である。睡眠中に無秩序は秩序へ整列される。

時々、昔なつかし人が頭の中に現れて、現在の何かと結びついた訳わからない夢。これが秩序から無秩序への変換。無秩序が秩序へと整理されているということなのだと腑に落ちた。

次の朝、無秩序が秩序に並び替えされたことで夢で変換中だった内容はすでに思い出せない。

今執筆している自分は、今この瞬間にしかいない。

だから、こう日記として書き留めておくことが大切なのだと感じた。以前の自分がどんな状態だったか残しておけるものは、日記でしかないのだ。

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